内モンゴル自治区の異国情緒豊かな玄関口、呼和浩特の旅行記です。

スマイル中国語教室

内モンゴル自治区の異国情緒豊かな玄関口、呼和浩特(フフホト)(その9. チベット仏教寺院、席力図召)


(席力圖召1 本堂は石壁に囲まれたチベット式の建築物でフフホト唯一のチベット式建築物と言われる。)

 


(長寿仏塔(白塔)。清朝乾隆年間に建てられたもの。この形のパゴダとしては、現在内モンゴルに現存する最大のもの。チベットの五色の祈祷旗『タルチョ』は青・白・赤・緑・黄の五色は、それぞれが天・風・火・水・地を表している。)

 

皆様、こんにちは!スマイル中国語教室のマーシーです。

 

今週も内モンゴル自治区の区都、呼和浩特(日本語読みで以下、フフホト)の旅行記の続き、チベット仏教寺院、席力図召です。

 

旅行記の前に、なぜモンゴルなのにチベット仏教なの?と思われた方も多いと思います。

 

モンゴルで信仰されている宗教は、チベット仏教、シャーマニズム、一部地域でイスラム教等、複数あり、中でも広く信仰されているのがチベット仏教です。

 

元々モンゴルでは、山や川に神の中でも一番尊い天の神を崇拝するシャーマニズムが広く信仰されてきました。以前、紹介させていただいたシラムレン草原にもあった「オボー」と呼ばれる石を積み上げて、その土地の守護神を祭ったものがモンゴルのシャーマニズムの代表的なものです。

 

モンゴルでチベット仏教が広まったのは13世紀にモンゴルがチベットを侵攻しようとした際に、チベットがモンゴルを懐柔し、フビライなど歴代のハン(君主や有力者が名乗る称号)がチベット仏教を保護したことがモンゴルにチベット仏教が広まる原因となったようです。

 

因みに同じ仏教ではありながら日本の仏教とチベット仏教とは違う点が多々あります。簡単に言うと経路と伝来時期の違いによるものです。日本の仏教は、インドから中国、朝鮮半島を経て6世紀に仏教が伝わり、中国風になっています。一方でモンゴルにはインドからチベットを経由し、13世紀モンゴルに伝えられました。 日本に伝わった時期よりは後であるため、解釈も異なるというわけです。

 

本題の席力図召の旅行記に入ります。以前紹介させていただいた、内モンゴルで最初のチベット仏教寺院でフフホト最大の寺院である大召をも凌ぐ政治力、経済力を持っていた寺です。

 

席力図召は明の万歴13年(1585)に建立されました。席力図は法座、召は寺院という意味で、席力図召はダライ・ラマ3世とダライ・ラマ4世の法座でした。

 

牌楼から本堂までが中軸線で、5つの院落からなります。本堂は四面の壁に彩色の琉璃磚を使い、屋根に金銅製の宝瓶、法輪、飛竜、祥鹿を配し、赤い出入口や扉の彩色画とあいまって、チベット様式の傑作です。 本堂の前にある高さ約15メートルの色鮮やかなチベット式のラマ塔は内モンゴル最大のラマ塔です。

 

寺院全体が中華とチベット文化を融合させた寺院で普通の中国寺院とは違い、大変興味深かったです。

 

長く続いた内モンゴルの旅行記も次週で最終回です。来週もよろしくお願いします。

 

 

 


(中央に山門、左側に鼓楼、右側に鐘楼がある。中国式の建築様式である。)

 


(入口)

 


(鐘楼の屋根。)

 


(太極拳をしている方も見られました。)

 


(寺院全体が中華とチベット文化を融合させた寺院で普通の中国寺院とは違い、大変興味深い。)

 


(龍の彫刻。)

 


(日本の仁王像と似てますね。)

 

 


(正面に鉄灯籠が立っている。奥には、本堂(大経堂、大雄宝殿)がある。)

 


(過殿。緑の瑠璃瓦、赤い柱、金色の屋根飾り、軒下の極彩色の繊細な装飾などが美しい。 流れ屋根は中国式。)

 


(寺院の守護獅子。)

 


(転経筒、転経筒は筒の中にたくさんの経巻を入れ、チベット仏教の信者が一回まわすと百回念仏ができ、功徳を積むことができると考えられている。)

 


(正面に鉄灯籠が立っている。奥の本堂(大経堂、大雄宝殿)。一番奥に流れ屋根がある。)

 


(清・ジュンガル戦争での康熙帝の戦功を満州、モンゴル、チベット、漢字で記す石碑。「平定ガルダン紀功碑」という。 1688年、タリム盆地の北のジュンガル盆地を拠点とするジュンガル部族のガルダン・ハーンが、ハルハ部族の内紛に介入して侵攻すると、清朝との戦争が始まった。その際、フフホトは清朝の北辺防護の要とみなされるようになったが、シレート・ホトクト4世が防衛の任に当たった。その後、フフホト仏教界のリーダーとなり、清・ジュンガル戦争の際、清朝の勝利祈願を行ったことが認められ、大規模な寺院修繕・拡張工事を許され、更に清朝の康熙帝から「延寿寺」の寺名が与えられた。)

 

 

 

 


(チベット仏教の絵図。六道輪廻図が描かれている。)

 


(チベット仏教の絵図。須弥山図が描かれている。)

 


(本堂(大経堂、大雄宝殿)の内部。)

 

 

 

 

 

 

 

 


(チベットの五色の祈祷旗『タルチョ』は青・白・赤・緑・黄の五色は、それぞれが天・風・火・水・地を表している。)

 

 

 

 


(長寿仏塔(白塔)清朝乾隆年間に建てられたもの。この形のパゴダとしては、現在内モンゴルに現存するもののなかで最大。)

 


(チベット仏教の僧侶です。)

 


(江沢民元国家主席とシレート・ホトクト11世が会見したときの写真。)

 


(寺院の中の食堂。粉?豆腐?をいただきます。春雨と豆腐片の入った美味しいスープです。)

 


(寺院の厨房。豆腐があります。)

 


(寺院の厨房です。みんなにふるまってました。)

 


(寺院の厨房です。)

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