楊先生の漢詩朗読(その30. 李白の世捨て人精神に溢れた漢詩"山中問答")

スマイル中国語教室

楊先生の漢詩朗読(その30. 李白の世捨て人精神に溢れた漢詩"山中問答")

皆様、こんにちは!スマイル中国語教室の講師、楊 欣然です。

 

今日は李白の世捨て人精神に溢れた漢詩"山中問答"を中国語で味わってみたいと思います。

 

楊先生の李白"山中問答"の朗読はこちらから

 

 

山中問答 李白

 

問余何意棲碧山  
笑而不答心自閑 
桃花流水杳然去  
別有天地非人間  

 

(書き下し文)
余に問ふ 何の意ぞ碧山に棲むと
笑って答えず 心自から閑なり
桃花流水 杳然として去る
別に天地の人間に非ざる有り

 

(現代語訳)
いったいどういうつもりでふかみどりの山、奥深い山中にすむのか、とひとは私にきくが

 

私はノーコメント、笑って答えず、ただ私の心はひとりのどかである。

 

桃の花びらを浮かべた谷川の水は、沓然と、いずことも知れず流れ去る。

 

そんなここには、別格の天地がある。人の世とはちがう、別の天地がある。

 

(解説)
李白が53歳ごろの作で俗世から離れた山中での趣を詠っています。

 

俗世間にも脱俗にも、それぞれ幸福があるので押し付けない。「笑って答えず」なのです。

 

桃の花が川の流れに乗って去っていくというところから人里より隔絶された桃源郷をイメージさせます。それは中国に伝わる以下のような話に基づきます。

 

 その昔、とある漁師が魚を捕りつつ川をさかのぼって行くと、突然、桃の林に出ます。桃の花ばかり一面に咲き誇り、両岸に延々と続いており、桃以外の木はありません。それを不思議に思った漁師は、その林の果てを突きとめようとさらに川をさかのぼって行きます。すると水源のところまで来て、小さな穴を見つけました。そこで舟を捨ててその中に入っていくと、やがて広々とした地にたどりつきます。そこは数百年前に戦乱を避けてやって来た人々が、外の世界と隔離されて住む地でした。そこで漁師は非常に歓待され、数日の間留まります。帰り際に漁師は村人から、この地のことは外の人には言わないで欲しいと頼まれます。ところが元の世界に帰った漁師は、太守に報告し、再びそこに行こうとしました。しかし結局二度とたどりつくことはできませんでした。

 

 

 この「桃花源」、あるいは「桃源郷」という言葉は、そもそもの意味は、上記にあるように桃の花の源をたどっていくとたどり着いた郷ということで、山奥深くにある世間から隔離された地、いわば隠れ里のようなものを指します。

 

 李白も「天地の人間に非ざる有り」と言うように、人間世界から隔絶された地を理想郷として求めていたのでしょう。

 

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