楊先生の漢詩朗読(その7 李 白の「春夜洛城聞笛」)

スマイル中国語教室

楊先生の漢詩朗読(その7 李 白の「春夜洛城聞笛」)

 

こんにちは!スマイル中国語教室の楊 欣然です。

 

今日は日本人にもお馴染みの中国の詩人、李 白が詠んだ漢詩「春夜洛城聞笛」を中国語で味わってみたいと思います。

 

楊先生の春夜洛城聞笛の朗読はこちらから

 

春夜洛城聞笛 李白

 

誰家玉笛暗飛聲

 

散入春風滿洛城

 

此夜曲中聞折柳

 

何人不起故園情

 

 

(解説)
春夜洛城聞笛 李白

 

(白文読み)春夜 洛城に笛を聞く 李白

 

誰家玉笛暗飛聲 

 

(白文読み)誰が家の玉笛ぞ 暗に聲を飛ばす

 

(現代語訳)いったい誰だろう、暗闇の中を笛の音が響いてくる

 

散入春風滿洛城  

 

(白文読み)散じて春風に入って 洛城に 滿つ

 

(現代語訳)笛の音は春風の中に乱れ入り、洛陽の町中に広がる。

 

此夜曲中聞折柳   

 

(白文読み)此の夜 曲中 折柳を 聞く

 

(現代語訳)この夜、曲の中に「折柳」の調べを聴いた。

 

何人不起故園情

 

(白文読み)何人か起こさざらん 故園の情

 

(現代語訳)これを聴いて故郷を偲ばない者があろうか。

 

  青年だった李白が故郷の四川を去り、広大な中国を北へ南へと何年も流浪していました。

 

 

 ある春の夜、放浪先の洛陽の宿屋に泊まっていた李白。洛陽の街全体が静寂と暗闇に包まれている中、ぼんやりと物思いに耽っていました。

 

 

  その時、どこからともなく、春風の中に混じり入り、''折楊柳"を奏でた笛の音が洛陽の街中に聴こえてきました。中国では旅立つ人に柳の枝を折って送る習慣があり、この習慣に基づいて、別れの悲しみを歌った歌を''折楊柳"といいます。"折楊柳''を聞いて故郷の視線を思い出し、洛陽の地にいる李白が思わず涙ぐんだのでした。

 

春のうららかな風の中、故郷を想う気持ちがよく現れてますね。

 

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