楊先生の漢詩朗読(その23. 涼しさを感じられる漢詩、高啓の「池上納涼」)

スマイル中国語教室

楊先生の漢詩朗読(その23. 涼しさを感じられる漢詩、高啓の「池上納涼」)

皆様、残暑お見舞い申し上げます。スマイル中国語教室の楊 欣然です。

 

お盆休みが終わり、2019年の下期が始まりますね。まだまだ残暑厳しい時期ですので今日は涼しさを感じられる漢詩、高啓の「池上納涼」を中国語で味わってみたいと思います。

 

楊先生の漢詩「池上納涼」の朗読はこちらから

 

 

池上納涼 高啓

 

画欄斜度水螢光   

 

荷葉荷花各有香   

 

団扇不揺風露下   

 

秋応先借一宵涼

 

 

(白文読み)

 

池上納涼  高啓

 

画欄 斜めに度(わた)る 水螢の光

 

荷葉荷花 各々香有り

 

団扇揺(うご)かず 風露の下

 

秋は応に先づ 一宵の涼を借すなるべし

 

 

(現代語訳)

 

きれいな欄干の前を斜めに飛び渡る水辺の螢

 

蓮の葉も蓮の花も、それぞれが香り高い。

 

風露蕭蕭の下、団扇を動かすこともないのは、

 

秋が一夜だけの涼味を、いち早く貸してくれたからだろう。

 

 

 高 啓は江蘇省蘇州の出身で明代初期の詩人です。幼少より神童とうたわれ、博学で知られています。張士誠の乱を避けて隠れていましたが、1369年に招かれて太祖に仕え『元史』の編纂に加わりました。1370年に翰林院編修になり、戸部侍郎に抜擢されたがすぐに辞し、蘇州郊外の青邱に戻り在野の詩人として活躍しましたが、その詩(「宮女図」)に、太祖を諷刺したものがあり、また友人で蘇州知事でもあった魏観のために書いた文章が禍して腰斬の刑に処せられました。

 

 

 暑い時期でも、蛍、蓮を見たり、日陰や日の沈んだ後の水辺ですっと風が吹くと、涼しく感じられます。暑いですが、たまには涼しい時間に水辺で息抜きするのもいいですね。

 

 

まだまだ残暑厳しいですが、2019年度の下期も頑張っていきましょう。

 

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